JISRAM会長就任挨拶 徐大兼

JISRAM会長徐大兼写真
JISRAM会長就任挨拶

この度初代会長中村一徳の後を引き継ぎ、新代表理事を努めさせていただくことになりました。

一般社団法人日本生殖鍼灸標準化機関(JISRAM)は2012年より国内の生殖鍼灸の質を向上させる目的で設立され、前身となる不妊鍼灸ネットワーク発足から今年で10周年を迎えます。
この10年間で生殖専門医、胚培養士、臨床心理士、不妊症認定看護師、生命科学者など、様々な分野の講師をお招きし、知見を深めると共により良い鍼灸医療の提供を目指して参りました。

最近の出来事としては2022年4月より不妊治療が保険適応になり、体外受精がより身近な医療になりました。
日本産科婦人科学会が集計している2020年の臨床実績成績では治療周期は約45万件、体外受精により生まれる出生児数は約5万8千名。2022年にはこの数は更に増えることが予想されます。

しかし、採卵当たりの妊娠率は年々低下しており、世界平均と比較すると低い状態が続いています。日本は世界最大の不妊大国と言われていますが、体外受精における妊娠率は世界最低です。これは患者の高齢化が主な原因になっています。しかし年齢以外にもその原因はあります。それは自律神経の不調による子宮・卵巣への血流障害、ホルモンバランスや免疫の問題です。私たちは鍼灸治療を通じ、自律神経を介した血流促進、ホルモンバランスや免疫反応の調整に期待できる手技をこの10年間で蓄積してまいりました。自然妊娠(タイミング指導)、人工授精、体外受精・顕微受精等々不妊治療は日々進歩しているため、私たちは常に海外の文献にも目を通し、知識を最新の情報にアップデートしています。これからもたゆまぬ学術の研鑚により、鍼灸医療が生殖領域において最大限の効果を発揮していけるよう、活動を行ってまいります。
その結果、少子化の改善に貢献し、一人でも多くの挙児を希望される方々の想いが叶なうことを願います。

令和 4年 7月吉日
日本生殖鍼灸標準化機関
代表理事 徐 大兼