このページでは、よく聴かれる質問を通して、婦人科領域における鍼灸のご説明をさせて頂きます。受療の際の参考にして頂けたらと思います。 | ||
Q
|
1
|
その方の症状によって、使うツボや治療法は変わりますか?
|
A
|
不妊治療といっても原因は実に様々です。今までの経過をお聞きした上で、原因を推測し、それによって治療法が異なります。ですので使うツボや治療法は人によって変わります。また鍼灸師によって異なる理論背景を持つ場合がありますので、その際も院によって治療内容が変わります。
しかし、本会では、卵巣や子宮の血流を促進する、また受精卵が子宮に着床する時に着床率が上昇するデータを示した治療法を会員全員が共有することにより、基本的な効果を漏らさず発揮できるようにしています。 |
|
|
||
Q
|
2
|
肩こり、腰痛、冷え症などの他の不調にも、鍼灸治療をして頂けますか?
|
A
|
不妊と直接関係が無くても、抱えておられる様々な不調を軽減することにより高次中枢の視床下部へのストレスが減り、ホルモンバランスが良くなる可能性があります。是非とも、他の症状もお話し下さい。そう言った場合は総合的に治療を行える鍼灸院を選ばれる方が良いでしょう。本会会員は、様々な症状にも対応できる鍼灸院ばかりです。ご安心の上、いろいろなご相談をされて下さい。
|
|
|
||
Q
|
3
|
鍼灸治療は、どうして不妊症に効くのでしょう?
|
A
|
鍼灸治療と言ってもその方法は様々です。どんな風に鍼をしても効くのではありません。しかし正しい鍼灸には、ホルモンバランスを改善したり、卵巣や子宮の血の巡りを良くしたり、授精卵の着床を助ける効果があることは明白です。本会会員は、研修会において、より効果的な改善方法を共有しています。
|
|
|
||
Q
|
4
|
病院の不妊治療と併せて、鍼灸治療を受けられますか?
|
A
|
もちろんです。不妊の原因には、鍼灸では解決できない場合もありますので、まず婦人科で具体的な問題点を検査してもらって、その問題点を鍼灸師にお話し下さい。不妊を理解している鍼灸師ならきっとそれに合わせた治療をしてくれるはずです。
|
|
|
||
Q
|
5
|
生理中は、鍼灸治療を控えた方が良いのですか?
|
A
|
生理中であっても、卵巣や子宮の機能は絶えず動いています。生理だから治療を控える必要はまったくありません。
|
|
|
||
Q
|
6
|
鍼灸治療をスタートし、どの位の間隔で通院するのが良いのでしょう?
|
A
|
それは不妊の原因とも関係しますが、大抵週に2回から1回程度です。
|
|
Q
|
7
|
鍼灸治療の効果は、すぐに現れますか?
|
A
|
高度生殖医療における胚移植の一定程度前から鍼灸を受けるだけで、着床率が向上するというデータがあります。貴方が今、不妊治療のどのような段階におられるのか、そのステージによって、的確な治療を受けて下さい。その際は、そういった治療のノウハウを有する鍼灸院である事を確認して下さい。
|
|
|
||
Q
|
8
|
どの位の期間、鍼灸治療を続け妊娠される方が多いのでしょう?
|
A
|
上記の質問と関係しますが、不妊の原因、西洋医学的治療の進捗状況により、鍼灸の効果発現までの期間は様々です。行われている鍼灸が、何を目的としているかで異なると言えるでしょう。貴方の状態をしっかり把握してくれる鍼灸院にご相談下さい。
|
|
|
||
Q
|
9
|
これ以上、病院へ不妊治療で通うのが精神的に負担です。鍼灸治療だけで妊娠できますか?
|
A
|
鍼灸治療は妊娠率を向上させることは、様々な国が出しているデータで明白ですが、問題は、貴方の不妊が鍼灸のみで解決できる問題かどうかにかかっています。むやみに病院を止めずに、貴方の不妊の原因が何であるか見極めることが大切です。かかりつけの鍼灸院できちんと相談されてみてはいかがでしょうか。 | |
Q
|
10
|
体外受精、人工授精を受ける前後での、理想的な鍼灸治療の通院日、頻度は如何ほどなのでしょう?
|
A
|
体外授精、人工授精、タイミング全ての段階に言えることは、やはり不妊の原因が何であるかが重要だということです。それに応じた適切な治療間隔、治療内容が望まれます。。
|
|
|
||
Q
|
11
|
体外授精の胚移植後で出血しています。鍼灸を受けても大丈夫ですか?
|
A
|
胚移植後の出血はさほど珍しいことではなく、授精卵または胎児の発育と無関係な場合が多いものです。従って鍼灸治療を受けても差し支えありません。しかし、流産のリスクが高い時は、外出自体が良くないかもしれません。まずかかりつけの医師に安静が必要かどうか問い合わせてみて下さい。
|
|
|
||
Q
|
12
|
月経がとても不規則ですが、鍼灸治療で治りますか?
|
A
|
生理不順が鍼灸治療で良くなることは大変多く見られる効果ですが、ここでも大切なのは、その生理不順がどういったものかを見極めた上で、きちんとした治療を受けることです。婦人科の知識が豊富な鍼灸院を訪ねてみましょう。
|
|
|
||
Q
|
13
|
以前、他の鍼灸院で治療を受けたが、効果を実感できなかったのはなぜ?
|
A
|
鍼灸と言っても、それを行う上での理論背景や、手法には違いがあります。前に受けておられた院の内容までは判断できかねます。
|
|
Q
|
14
|
鍼灸で具体的には何がどう変わるのか?
|
A
|
正しい治療を受ければ、いろんな事を実感されると思います。生理が楽になったりすることは自覚される事が多い変化のひとつです。他にも、それぞれの問題に応じて、いろいろ良いことが起こります。是非とも実感してみて下さい。それぞれの効果は、前後の質問を参考になさって下さい。また付随して、睡眠が良くなるとか、体が軽くなるといった様々な変化も実感されるかもしれません。
|
|
|
||
Q
|
15
|
クロミッドの影響で内膜が育ちません、鍼灸で育ちますか?
|
A
|
子宮に入る動脈が狭窄を起こすと内膜の厚さに悪影響を及ぼすことが知られていますが、その血管を拡張させるのに科学的に証明された手技があります。学会などでも発表されていますので、かかろうとする鍼灸院でその手技が可能かどうか尋ねて頂き、習得されているようでしたら是非とも、その方法を受けてみて下さい。ただ、内膜が厚くならないのは血行障害だけではありませんので、その点をふまえた上で鍼灸を利用されてみてはいかがでしょうか。
|
|
|
||
Q
|
16
|
刺激しても卵子の数がなかなか取れません、取れるようになりますか?
|
A
|
その方の卵巣の状況にもよりますが、卵子が沢山あるのに卵胞形成が少ない場合、卵巣の血流をよくしてやることによって、採卵数が増える可能性があります。しかしここでも問題は、卵巣の血流を良くする鍼をきちんとしてもらうことが大切です。ノウハウを良く理解している鍼灸院にご相談下さい。
|
|
Q
|
17
|
体外受精、人工授精を受ける前後の治療は休んだ方が良いのですか?それとも沢山やった方がいいのですか?
|
A
|
上の方にもお答えしましたが、採卵直前だからとか、移植直前だからとかいっても過剰な治療は不要です。適正な間隔での治療をお勧めします。
|
|
|
||
Q
|
18
|
胚移植をした後はお風呂やカイロで温めないほうがいいと聞きますが、本当ですか?
|
A
|
よく言われるのが「授精卵がゆで卵になる」という言葉です。授精卵が凝固するほどの高温を皮膚から与えれば、まずは同じタンパク質である皮膚が火傷を起こすでしょう。そうならない程度なら、問題はないでしょう。
|
|
|
||
Q
|
19
|
不妊鍼灸治療で、妊娠に至るまでの平均的期間、治療回数はどのくらいですか?
|
A
|
これは一般論ではなかなか言えません。どれくらい勉強しているか、どれくらい経験と実績があるかで、院によって極めて大きな差があります。もちろん一人一人の不妊の状態でも異なります。しっかり見極めて、院選びをして下さい。
|
|
Q
|
20
|
鍼灸院の転院を考えています。どれくらいで見極めるのが良いのでしょうか?
|
A
|
数ヶ月程度通ってみて、あまり変化が無い場合、担当鍼灸師と今後のことを一度話されてみるのがいいと思います。納得されれば、もう少し続けてみられてもいいと思いますが、その相談からご自身で判断して下さい。
|
|
|
||
Q
|
21
|
年齢が40歳を超えているのですが、妊娠する可能性はありますか?
|
A
|
一般的に年齢が上がるにつれ妊娠率は低下します。また逆に流産率は上昇します。とても悲しい現実ですが、40代の方の卵巣の状況は個人差も大きいですが、良質の卵子を沢山持っていて、妊娠の可能性はまだまだ有る人も沢山います。貴方がどういった状態かによると思います。
|
|
|
||
Q
|
22
|
治療院によって、施術するツボは変わりますか?
|
A
|
鍼灸をする上で、どのような理論を採用するかによって治療は大きく異なります。その院の方法が、どのような不妊に特に効果的なのか尋ねられ、ご自身の問題点と一致すれば良いと思います。本会では、効果再現性の高い基本的な方法を会員全員が習得しています。
|
|
Q
|
23
|
三陰交は妊婦には使わないってみましたけど、どうなんですか?
|
A
|
確かに妊娠した時に良くない治療は存在するかもしれません。しかし本会会員の複数の鍼灸院においては、妊娠後に三陰交へ様々な刺激を強く与えた場合でも、流産率は上昇しておりません。むしろ様々な基礎研究から、妊娠への悪影響は無いと考えています。
|
|
|
||
Q
|
24
|
不妊治療を行うのは、不妊専門より普通の鍼灸院は効果が少ないですか?
|
A
|
普通の鍼灸院であろうとなかろうと、不妊をどれほどしっかり勉強しているかが重要です。しかし最終的には、貴方自身が鍼灸院の善し悪しを見極める目を持つことが必要になって来ます。本会加盟鍼灸院は、すべて普通の鍼灸院です。が、最高の不妊鍼灸を目指しています。
しかし例えば、自律神経の調整やストレスの軽減、免疫力の調整は不妊治療には大切な要素ですが、不妊専門の鍼灸院なら自律神経疾患、ストレス性疾患、免疫疾患を主訴とした方はほとんど診ていない事になるので、それらが不妊の原因と思われるようでしたら、総合的な鍼灸院を選ばれる事をお勧めします。
|
|
|
||
Q
|
25
|
不妊鍼灸で妊娠した最高齢は何才ですか?
|
A
|
妊娠の成立及びその安定に寄与する鍼灸治療の方法があることはもはや周知の事実ですが、極論すれば一人一人の妊娠で、それが果たして鍼灸が無ければ妊娠できていなかったかを証明する手だてがありません。よって、鍼灸における妊娠の上限は通常の上限であると言わざるを得ません。
|
|
Q
|
26
|
持病の薬を飲んでいるので、不妊治療に踏み切れないでいます。どうしたらいいでしょうか。
|
A
|
持病にもよりますが、例えば、糖尿病やリウマチ薬、抗精神薬などを服用されている方々が、鍼灸でそれら薬剤から離脱または減量され安心して妊娠できる身体作りをできる可能性もあります。そういった場合は、きちんとした不妊治療が出来るだけでなく、諸種の疾患の治療経験も必要となって来ますので、かかろうとする院に、該当疾患の経験がどれほど豊富かを尋ねてみて下さい。
|
|
|
||
Q
|
27
|
排卵障害と言われましたが、鍼灸で改善しますか?
|
A
|
排卵障害の原因、例えば多嚢胞性卵巣や黄体化未破裂卵胞等があります。が、それらの診断を受けられていると、大抵はその産婦人科で投薬されています。ですが産婦人科には通院せずに、基礎体温だけをみて鍼灸を受けられる方で高温期が存在せずに生理(正しくは消退出血といいます)が来る方も、鍼灸だけできちんとした高温期を伴った生理が来るようになる場合が多々あります。そういう場合、冒頭の2つのどちらかが改善したのであろうと推察されます。不妊治療には不妊のノウハウではなく、普通の生理不順を改善するノウハウも重要です。
|
|
|
||
Q
|
28
|
AMHが低いというのも、鍼治療で改善できるものでしょうか?
|
A
|
AMH(卵巣予備能)は、2~3周期後の排卵に準備されている原始卵胞が出すホルモンですので、さらにその後に数値が上昇する可能性があります。卵巣全体に残っている原始卵胞が排卵の予備段階に沢山入ればAMHは上昇し、良い卵子が取れる可能性もあるでしょう。しかしまだまだ今後の研究を必要とします。ですが、AMH自体が卵子の質を示しているのではないので、良い卵子ができれば妊娠は十分に可能です。、
|
|
Q
|
29
|
男性不妊に対しても効果があるのでしょうか?
|
A
|
卵子は現在あるものを毎月消費して行くだけですが、精子はリアルタイムに生成されていくので、男性の体調が精子の状況を左右すると言われています。また、精巣は発生学的には卵巣と同じ分化をたどっているので、卵巣に対して的確な治療を行える鍼灸院なら、男性不妊に対しても効果を上げられる可能性もあります。実際に、精子の数や運動率の向上する方も沢山おられます。原因不明の乏精子症などは、鍼灸を試してみられてはいかがでしょうか。
|
|
|
||
Q
|
30
|
現在妊娠していますが、鍼灸治療を受けることはできますか?
|
A
|
妊娠中も鍼灸を受ける方は沢山おられます。つわり、むくみ、腰痛など理由は様々です。お気軽に相談されてみてはいかがでしょうか。また鍼灸が流産率を上げることはありませんので、信頼できる鍼灸院で受療下さい。
|
|
|
||
Q
|
31
|
先日出産をしてすぐに2人目を希望しています。鍼灸治療はいつから始めたらいいですか?
|
A
|
妊娠と出産の状況にもよります。 妊娠が自然妊娠または人工授精で、出産が自然分娩の場合、次の妊娠をご希望になる少し前から開始されてはいかがでしょうか。 妊娠が体外授精で次に移植できる凍結卵が無い場合、次の採卵に向けた治療が必要となりますので、詳しくは担当鍼灸師にお尋ね下さい。 妊娠が体外授精で、次に移植する凍結卵がある場合、次に移植する周期の生理の少し前から治療を開始されるのがよろしいかと思います。 また帝王切開による分娩を経ている場合は、次の妊娠準備は医師の指示に従って下さい。 ただ、以上はあくまで一般論であり、更に個別の状況で異なります。
|
|
Q
|
32
|
移植後、妊娠後も鍼灸を受けた方が良いのでしょうか?
|
A
|
移植後は着床の安定、妊娠後は流産の予防に一定の効果を確認しています。ただ、流産の原因は様々で、染色体異常によるものは回避不可能です。鍼灸の可能性としては、子宮の血流促進や、免疫過剰反応の抑制であり、それらは一定程度の流産抑止に働くと思われます。また流産のもっともハイリスクな時期は8~9週頃ですので、それまでは確実に、15週まではその人に応じて継続することに意義があります。それ以降は、鍼灸で予防できる流産は確認できていません。
|
|
|
||
Q
|
33
|
セクハラが怖いのですが、治療でどこまで脱ぐ必要がありますか?
|
A
|
女性の局部を露出させる必要はまず無いでしょう。また私たちには内診は許可されていません。ただ、使う経穴(ツボ)により下腹部や臀部への治療を必要とする場合もありますが、要は皆様が信頼できるかどうかだと思います。
|
|
|
||
Q
|
34
|
移植当日に鍼灸治療を受けた方が着床しやすくなると聞いたのですが?
|
A
|
初期胚移植と胚盤胞移植とでは、当然着床時期が異なるので、個々の状況を考えずに「移植当日」ということはあり得ません。ただ、その頃に子宮の環境を整えておくことは大切です。
|
|
Q
|
35
|
妊娠する為に卵巣や子宮の状態を数値で表す事は出来ますか?
|
A
|
婦人科で行われる各種血液検査を総合的に見て、貴方の状態を医師が判断されますが、医師以外が卵巣や子宮の状態を計測する数値は、存在しません。自律神経測定(ノイロメーター)や、末梢血酸素飽和度測定(パルスオキシメーター)など、血液を採取しない検査もありますが、それで妊娠するかどうかを判定する事は絶対に不可能です。それらはあくまで全身状態の観察と言えるでしょう。
|
|
|
||
Q
|
36
|
なぜ皮膚に刺した鍼で子宮や卵巣への血流が良くなるのでしょうか。
|
A
|
子宮に入る動脈の抵抗値を下げる(つまり血管が拡張する)特殊な鍼法があり、その効果は科学的に証明されています。また動物実験などで卵巣動脈血流量が変化するデータを元にした治療法で、ART受療時の採卵成績が向上している事を確認しています。
|
|
不許複製
上記のQ&Aは、本会の研修や会議において採択されたものであり、他の鍼灸院における質や効果を担保するものでは決してありません。 よって、本会加盟鍼灸院以外のあらゆるサイト、出版物でのコピー使用を一切禁止します。 |