ごあいさつ

一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)

代表理事 会長 三瓶 真一

 

本会WEBページをご覧いただきまして、ありがとうございます。

 本会は、前身の不妊鍼灸ネットワーク設立から数え12年となった生殖医療分野、特に不妊症への有効な鍼灸治療の開発と普及を目的とした団体です。東日本大震災後の20123月に、京都・なかむら第二針療所の中村一徳先生を会長に現在の本会の前身として、不妊鍼灸ネットワークが設立されました。当時、不妊症に対する鍼灸治療を行う鍼灸院はあまり多くなく、またその治療内容も様々であり、『玉石混交』と言われる状況でした。当時女性不妊症への鍼灸治療では嚆矢であった名古屋・明生鍼灸院の鈴木裕明先生、木津正義先生を会員へ迎え、エビデンスのある鍼灸技術等様々な学術指導を頂きながら今の会員の共通技術の基礎を作っていきました。その後、効果的な鍼灸治療法をさらに普及するため201771日に組織を改め、一般社団法人JISRAM(日本生殖鍼灸標準化機関)を設立して現在に至ります。

あらゆる医学分野で、現代生殖医療は最も進んだ一分野と言われています。しかし結婚年齢の高齢化等に伴う加齢に起因した不妊では、なかなかその恩恵に預かれない場合もあるようです。鍼灸治療はもともと体質の改善を目指す根本治療をベースにしており、今患者様が受けている現代生殖医療を邪魔することなく追加して行うことができます。例えば米国生殖医学会では体外受精等、高度生殖医療を受ける際に鍼灸治療を一緒に受けることを推奨しています。今後、皆様方のお近くで優れた鍼灸師である会員が鍼灸治療を提供できるよう、これからも本会では有効な鍼灸治療法を会員間で共有していきます。

本会会員の多くは研修を通して習得した医学教養や治療技術を全国の様々な団体等での研修会で広め、また多くの学会で成果を発表しております。組織は変わっても効果的な鍼灸治療をさらに追及し、今後は国内標準化を目指してさらに普及を進めて参ります。そのためには日進月歩である生殖医療分野の著名専門医の先生方等にご指導を賜り、大学等研究機関の協力による治療効果の検証を続けていく必要があります。将来的には私たちの日本鍼灸をベースにした効果的な鍼灸治療法を確立し、世界へ発信していきたいと考えておりますので、本会事業にますますのご理解ご協力のほどお願い申し上げます。

20241018

 三瓶 真一(さんぺい しんいち)
鍼灸師
三瓶鍼療院院長(福島県白河市)
一般社団法人福島県鍼灸師会会長
公益社団法人全日本鍼灸学会理事・東北支部
一般社団法人日本東洋医学会福島県部会幹事